二級ボイラー技士の資格取得までの経過をまとめておきます。
資格取得の動機
就職氷河期世代の文系オジサンである私は、将来の生活防衛と知識の習得を目的に、3年前の2019年から技術系資格取得に挑戦してきました。
危険物乙四、第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者を取得し、いわゆるビルメン4点セットと呼ばれる資格の最後に残ったのが、この二級ボイラー技士です。
こいつをゲットして当初の目標を完遂します。
二級ボイラー技士とは
ボイラー技士はビルや工場などに設置されているボイラーを取り扱う業務に従事するための資格です。
取り扱えるボイラーの規模により「特級」・「1級」・「2級」と3つに分かれています。
2級はボイラー資格の入門的な位置づけで、伝熱面積25㎡未満のボイラーを取り扱うことができます。
二級ボイラー技士免許試験について
ボイラー技士の試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施しています。
試験科目と出題数は以下の通りです。
試験科目 | 出題数 |
ボイラーの構造に関する知識 | 10問 |
ボイラーの取扱いに関する知識 | 10問 |
燃料および燃焼に関する知識 | 10問 |
法令関係 | 10問 |
合格基準は、各科目ごとの正答率が40%以上で、4科目合計の正答率が60%以上、受験資格はなく誰でも受験可能です。
合格率はおよそ50~60%の範囲で推移しています。
近年は多少難化傾向との噂がありますが、事前にしっかりと学習を行えば、十分合格できる試験だと思われます。
令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | |
受験者(人) | 25,192 | 16,098 | 24,260 |
合格者(人) | 12,803 | 9,400 | 12,953 |
合格率(%) | 50.8 | 58.4 | 53.4 |
受験手数料6,800円
試験は毎月1、2回、全国7カ所の安全衛生技術センターで行われ、遠隔地では年1回程度、出張特別試験も実施されています。
ボイラー実技講習について
二級ボイラー技士免許の交付要件の一つに、ボイラー実技講習の受講・修了があります。
法令で定められた20時間の講習は、試験の前後どちらでも受講できます。
ボイラーの知識ゼロの私は、本格的な試験勉強を始める前に少しでもボイラーのことを知っておいた方がよいと思い、試験の前に受講することにしました。
講習を実施しているのは一般社団法人日本ボイラ協会の各都道府県支部です。
講習は平日2日、週末1日の計3日間で行われます。仕事をしている社会人にはスケジュール調整が難しいのですが、新型コロナ感染対策で規模を縮小して実施しているため、日程が発表されたら速やかに申し込みを行わないと、すぐに定員になり受講できなくなります。
ちなみに受講するにはテキスト代などを含めて26,026円の費用が掛かりました。
1日目 2日目
1日目、2日目が会議室での学科講習、3日目が実際のボイラーを使用しての実技講習です。
私が受講した時の参加者は40名ほどで、そのうち1名が女性だったと思います。
学科講習は、特級ボイラー技士の資格を持った超ベテラン講師の方が、ボイラーの仕組みについての講習を行います。
ボイラーについて全く無知な私にとっては、何となくですが全体像がつかめたので有益な内容でした。
しかし、講習はテキストに沿って淡々と進められる形式のため、1日7時間×2日間の受講は、なかなか辛いものがありました。
3日目
3日目の実技講習は2班に分かれ、実際のボイラーを使用する運転実習と、パソコンの講習用シミュレータ操作を交互に行います。
運転実習で使用したボイラーは小型のものということでしたが、噴き出した蒸気を始めて目にした時は、その迫力に驚きました。
試験勉強を始める前に実物のボイラーを見られただけでも、この講習を受けた甲斐があります。
講習用シミュレータはパソコン画面上でボイラーの点火やメンテナンス作業を行うものです。
パソコンの操作自体はすぐに終わるのですが、1台のパソコンを受講者が順番に操作するため、全員が終了するまでには結構な時間がかかります。
3日間、合計20時間の講習を欠席・遅刻・早退なしにすべて終え、最後に修了証をもらえれば、ボイラー実技講習の受講が完了します。
修了テストなどはないので気は楽なのですが、この講習は法令で定められているため、20時間きっちり受講しなければなりません。
そこそこの費用も掛かるため、スケジュール調整と体調管理が肝心です。



試験の勉強方法
試験日の2か月ほど前からテキストと過去門を使っての勉強を開始しました。 これまでの資格試験の時と同様に、ネットでの評判を参考に、実店舗で中身を確認して購入しています。
テキスト
U-CANの2級ボイラー技士合格テキスト&問題集
問題集
まずはテキストを通読していきます。U-CANのテキストはイラストが多く、初学者にもわかりやすい平易な文章で説明されているため、ボイラーの知識がほとんどない私でも抵抗なく読み進めることができました。
いままで「危険物乙4」「第二種電気」の学習の際もU-CANのテキストを使用し、同じように感じたので、私との相性がいいのかもしれません。
言うまでもなく資格試験の学習でテキスト選びは重要です。
ネットでの購入は便利ですが、実際に手に取って購入することをおすすめします。
2週間ほどかかってテキストを通読した後は、過去問を使用した学習を行いました。
ボイラー2級技士の問題は過去問をベースにしたものがほとんどとのことです。 テキストでインプットした内容がしっかり定着するよう、過去問でアウトプットしていきます。
ちなみに過去問は以下のサイトでも確認することができます。
毎日1時間の勉強を2か月行いましたので、トータルの勉強時間は約60時間です。 これで試験に挑みたいと思います。
試験当日
私は地方在住のため、地元で行われる1年に1度の出張特別試験を利用して受験しました。
ボイラー技士の試験だけではなく、労働安全衛生法に基づく各種免許試験も同時に行われるため、大学を使用した大掛かりな会場でした。
大規模会場に少々迷いながらも自分の席にたどり着き、試験開始を静かに待ちます。
私の周りは全員男性。同年代のオジサンや、お兄さんたちと一緒に合格を目指し試験に挑みます。
試験時間は3時間です。
実際の問題は過去問をベースに出題されていますが、公表されている過去問よりはやや難しい印象です。
選択肢の中には全くわからない装置の名前や、用語がいくつか出てきて、素人の私を悩ませますが、消去法で二択くらいまで絞ることはできますので、後は運を天に任せて解答するだけです。
全40問を丁寧に解答し、マークミスがないかを確認していると、退出可能となる1時間が経過していました。
運任せにしていた問題をもう一度見直しますが、藪蛇になる予感も…。直感を信じてこのまま途中退出し試験終了としました。
合格発表
試験後、2週間ほどで合格発表が行われました。
結果は合格!
試験後にはある程度の手ごたえを感じてはいましたが、ほっと一安心です。
免許申請
発表から5日後に免許試験合格通知書が届いたので、試験会場で配布されていた免許申請書を作成して免許の取得を行いました。
必要書類一式を東京労働局免許証発行センターへ郵送します。
まとめ
筆記試験の合格率から、二級ボイラー技士の資格取得は比較的簡単と言われていますが、実技講習や地方での試験機会などを考慮すると、スケジュール的に取得のハードルが高い資格の一つだと感じました。
最後に資格取得に掛った費用です。
合計 38,616円
【内訳】
ボイラー実技講習 26,026円
テキスト代 3,850円 (2,200円 1,650円)
受験料 6,800円
免許申請料 1,940円 (収入印紙1,500円 切手440円)